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公園の小さなものがたり vol.3

寒い真冬でも開いていたソフトクリーム屋さん

公園の小さなものがたり vol.3 - 寒い真冬でも開いていたソフトクリーム屋さん

世界淡水魚園の中には、いくつかのフードコーナーがあります。中でも、人気があるのが、「スウィートフルーツバスケット」のソフトクリーム。テレビ番組でも取り上げられるほどの人気のこのお店ですが、季節問わずいつでもオープンしているわけではありません。通常は、4月から9月の週末を中心に、その他の時期は不定期でのオープンとのこと。しかし、イレギュラーに真冬にオープンしていた日があったというのです。なぜだろう、とお聞きしてみると、そこには、お客さまとスタッフのあたたまる物語がありました。

お正月で岐阜に帰っていらっしゃるご家族のために

「スウィートフルーツバスケット」のソフトクリームは、種類が豊富でそのどれもがフレッシュで美味しいところが人気の理由。子どもから大人までファンが多く、自動車でのアクセスがいいこともあり、ここのソフトクリームが食べたくて足を運ぶお客さまもいるのだそう。

そんな人気店を切り盛りする店長の松川さんに、日常の中で、印象的だった出来事をお聞きしてみると、しばらく考えた後に、笑顔で「冬のお客さまですね」と。

そして、こう続けます。

「今は不定期なんですけど、寒い時期も開けている時期があったんです。でも、ソフトクリームが食べたくなるのって、どうしてもあたたかい時期でしょ。だから、冬場はお店を開けていても、お客さまは少なくて。やる意味を見失うような日もありました(笑)でも、数年前のお正月期間に、とっても嬉しいことがあったんですよ!」

そう話す松川さんは、当時のことを思い出して笑みが溢れます。

「数年前までは、お正月休みで遊びにいらっしゃるお客さまに喜んでいただこうと、お店を開けていたんです。そうしたら、お正月休みにここに遊びに来て、ソフトクリームを食べるということを恒例行事にしてくださっているご家族がいらっしゃって。お子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで、大家族なんですけど、どうやら若いご家族は東京に住んでいて、お正月にご実家に帰省している中で、ここに来てくださっていたみたいなんです。 そのご家族がある時、『ここのソフトクリーム、とってもおいしいわね!うちでは、お正月の恒例になってるのよ!』って言ってくださって。そうやって伝えてくださる方も少ないですし、毎年来ていただいているのが嬉しくて、私、思わず泣いちゃったんですよ(笑)その翌年は、こちらから声をかけさせていただいたら、『1年に1度なのに覚えていてくれたの?』って喜んでくださって!」

 

褒めるだけでなく、厳しい感想もくださるありがたさ

松川さんが嬉しかったのは、毎年来てくださっていたことや「おいしい!」ということを伝えてくださったことはもちろんですが、もうひとつ、そのご家族がしてくださることが、ありがたいのだと言います。
 

「そのご家族は、6、7人くらいで見えるんですけど、みなさん違う味を食べてくださるんです。それで、毎回、厳しく評価してくださるですよ。『これは味が出にくいフルーツだったね!』とか『これはおもしろいね!』とか。お気に入りは、バナナで『これが一番おいしい!』とお墨付きをいただけたりもして。褒めてくださるだけじゃなくて、厳しい意見も含めて感想を素直にくださるのは、本当に嬉しいことです。だから、この時期は、お正月までに新しいフレーバーを用意したい!って思いながら、メニュー開発を頑張っていました」 お正月という始まりのタイミングで、そんなお客さまと顔を合わせて、一年ぶりの会話を楽しみながら笑顔を交わすひとときは、松川さんにとっても、嬉しいひとときだったのでしょう。

「そのお客さまに会うことが本当に楽しみで、雨が降っても天気が悪くても、お正月の3日間は休まずにお店を開けよう!って思っていたんです。そのくらい、一瞬お会いできることが嬉しくて!」 ソフトクリームとしては季節外れのお正月にいらっしゃるひと組のお客さま。店長として、日々お店を切り盛りしている松川さんにとっては、その方たちの笑顔が、「1年間がんばったね、新しい1年もいい年になりそうだね」というメッセージに思えたのかもしれません。