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わたしのすきな場所

水の音と流れに癒され切り替えられる場所

わたしのすきな場所 - 水の音と流れに癒され切り替えられる場所

養老公園は、「公園」と言っても敷地が非常に広く、中にはいくつものアクティビティや商店、神社仏閣や宿泊施設があり、公園が小さな町と言っても過言ではありません。今回、ご登場いただく田端さんは、公園エリアからは少しだけ外れるものの、養老公園のすぐ近くで生まれ育った生粋の養老っ子。この公園も馴染みの場所だったという彼が、好きな場所として選ぶのはどんな場所なのでしょう?

すきな場所:養老の滝に向かう紅葉橋の上
田端 亮さん(養老公園)

立ち止まると見えてくる彩と音と光と影

「養老の滝の方にあるんです」とだけ言って、田端さんは黙々と歩き始めました。養老の滝、ではなく、養老の滝の方……? 一体何が……?

期待に胸を膨らませながらついていくと、養老の滝に辿り着く少し前にある紅葉橋の上で「ここです」と彼は立ち止まりました。

そこは、鮮やかな新緑がまるでタープのように頭上を覆い、橋の下には川が勢いよく流れる場所。水が流れる音と木の葉の揺れる音の中で不思議と静けさを感じ、自然に囲まれている心地よさに、思わず深呼吸をしたくなります。
 

「ここは、ちょうど川幅が広くなっていて、水の流れが雄大なんです。この水の音と流れの絵が大迫力だからか、不思議とスッと気持ちが切り替わる感覚がありますね。春から初夏は特に新緑がきれいですし、あの木々の間から太陽の光がキラキラと見える感じとか木漏れ日もとてもきれいで。夏場は、ここに佇むだけで涼しさを感じることができます」

ここは養老の滝に向かう途中だからか、あまり立ち止まっている人がいない場所。田端さんご自身も、ここで仕事をするまでは立ち止まったことはなかったと言います。
 
「私がここの良さを知ったのは、働き始めてからですね。それまでは、養老の滝を目指している時に通ったことがある程度。ほんのひととき立ち止まれば、こんなに美しい景色が目の前に広がっているなんて、以前は知りませんでした」
 

最初は、木々の鮮やかな緑と水の激しい流れが見せてくれる絵に圧倒されてしまいますが、目が慣れてくるといろいろな形や色の葉があり、木々の他にもいろいろな植物があちらこちらに生えているのがわかります。 「今はまだないんですけど、この辺りには春になると浦島草っていう植物が生えてくるんです。浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に似ていることから名付けられたそうですが、形がユニークで好きなんです」

育ててもらったこの町が、また好きになった

そんな植物にも詳しい田端さんですが、ここまで詳しくなったのは、この公園で働いてからだそう。

「今やっている仕事は、養老公園の全ての園路を歩きながら、落ちている枝やゴミを拾ったり、伸びすぎている枝を切ったり。枯れている木があれば伐採の手配をしたりしています。18歳から働いていて、今年6年目になるんですけど、ここで働くまでは植物のことは全く知らなかったので、上司に教えてもらいながら覚えていきました。植物のことは、机の上だけでは理解できないことが多いので、園内を自分の足で歩いて、自分の目で見て覚えましたね。知識を持ってこの公園を歩いてみると、以前は気づかなかった魅力に出会えるのがおもしろいですね。もちろん、ただただきれいだなって見ていたところにも、もうちょっと枝を切った方がいいかなとか、細かいところが気になってしまうっていうのもあるんですけどね(笑)」

毎日、公園のあちらこちらを歩いて回っているから、来園者に声をかけられることもしばしばなのだとか。 「歩いていると、植物について質問を受けたり、紅葉がきれいなのはいつくらいからですか?なんて聞かれたりすることもあります。私もまだまだわからないことも多いのですが、知っていることであればご説明するようにしていますよ。こういうコミュニケーションをとることができるのも、この仕事の好きなところです。
 

紅葉橋からお店が立ち並ぶあたりまで歩いて戻ってくると、お土産などを販売している吉田商店の前で、「あら、亮くん!」と田端さんを親しげに呼ぶ声。「私は、ここから10分くらいのところで生まれ育って。完全に地元なんです。だから、この公園にも馴染みがありますし、働いていらっしゃる方も、私の幼い頃をよく知ってくださている方が多くて。吉田商店さんもそんな方の一人です。今もまだその延長ですが、私はこの土地に育てられているなぁ、と思いますね」
 

 
18歳から養老公園で仕事をしているという田端さん。生まれ育った馴染み場所で仕事をしているというのも、実はなかなか珍しいことなのかもしれません。なんとなく興味が湧いて、「ここで働きたいと思ったのはなぜ?」と素朴な質問を投げかけてみました。
 

「ここが養老町で育った人を求めているというのを知って、手を挙げたという感じです。もともと公園の仕事がしたかったわけではなかったのですが、こうして携わってみると、愛着が湧いてきますし、良さを伝えたくなりますね。そして、以前にも増して、養老という場所も好きになっていて、自分でも嬉しいんです。だから、ここで働くことになったのは……運命みたいなものでしょうか(笑)」